今回は、ペルーのクスコ・ケチュア語を学ぶ際に注意しなければならいない点をご説明しておきたいと思います!
なんとクスコ・ケチュア語の教科書や辞書が教えていることが間違っているかもしれないということです。
なぜなら、クスコ・ケチュア語も時代と共に変化しており、インカ帝国時代、そして、ここ50年前に話されていたクスコ・ケチュア語ともだいぶ変わってきているからです。
クスコ・ケチュア語の教科書や辞書が違う例
発音表記
クスコ・ケチュア語の教科書や辞書のアルファベットの表記には、いろいろな例があります。
しかし、スペイン語の発音表記に統一されてきているようです。
そのため、教科書や辞書どおりに文字を書いても、間違っているとして正されてしまうことがあります。
たとえば、「私たちは、お金をあげました。」という文章を2008年版、そして、2014年版の教科書、そして、辞書を頼りに書いてみます。
すると、”Nuqanchis qulqita qurqanchis.” となります。
そこで、クスコ・ケチュア語を実際に話す方に、その文章を見てもらうと、下記の様に訂正されました。
“Noqanchis qulqeta qoranchis.”
なぜでしょうか?
教科書や辞書で書かれているアルファベットのつづりが、発音した際の実際の発音、さらには、スペイン語表記に直した際の表記と違うからです。
そのため、日本人も書かれている通りの母音で発音した際、正してもらった下の文章の方が、忠実なクスコ・ケチュア語の発音になるのです。
単語の変化
日本語でも、昔使わなかった「マジ!?」という単語などがうまれています。
それとは、少し違うのかもしれませんが、時代と共に言語は常に変化するものです。
クスコ・ケチュア語に関しては、まるで日本語・英語の単語が日本語の単語になったように、スペイン語の単語がいまやクスコ・ケチュア語の単語になり、古く使われていたクスコ・ケチュア語のオリジナルの単語は実際使われなくなり、忘れ去られてしまっているのです。
根本的なところでは、「おはよう、こんにちは、こんばんは、ありがとう」などの単語も昔は、クスコ・ケチャア語のオリジナルの単語がありましたが、今は、スペイン語と同じ単語にとってかわっています。
一番痛いのが、既にご説明したように辞書や教科書の単語が使われなくなった単語で説明されている為、その教科書や辞書で調べた単語が伝わらないということです。
たとえば、「友達」という単語は、教科書や辞書では、”riqsinakuqmasi” ですが、実際に伝わる現在の単語は、スペイン語と同じ”amigo” です。
さらに、「大切」という単語は、”chaniyuq” ではなく、”importante”、「トイレ」という単語は、”hiysp’akuna” ではなく、”baño” です。
そのため、日本語・英語と同じで、今やたくさんのスペイン語の単語がクスコ・ケチュア語の単語として使われているのです。
もちろんクスコ・ケチャア語としての単語が基本的には多く使われています。
ただ教科書や辞書で、それを知ることができないのがとても残念です。
まとめ
クスコ・ケチャア語を学ばれる際は、数年前に発行されている本や教科書、辞書でも注意が必要です。
実際伝わらないクスコ・ケチャア語を学んでしまうことになるからです。
そのため、今現在でもクスコ・ケチャア語を学ぶ際には、実際に、クスコ・ケチャア語を話している人たちのアドバイスや助けが必要となります。
そういった点で言うと、英語やスペイン語を学ぶよりも少し難易度が高いと言わざる終えないかもしれません。
それでは、また次の機会まで! Hoq p’unchaykama (ホック・プンチャイカマ)
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