私は現在ペルーのクスコに住んでいるのですが、リマ、チクラヨに住んでいた時には聞いたことがない風習がクスコにある事を知りました。
それは、セマナ サンタ Semana Santa 聖週の休日に行われる家族と共に12の料理を食べる風習です。
ちなみに、セマナ サンタ Semana santa 聖週は、復活祭、春分の日の後、最初の満月が出た後の日曜日までの1週間のことなので、毎年変わります。
そして、ペルーでは、そのセマナ サンタ Semana santa 聖週の木曜日と金曜日が祝日に当たります。
今回は、クスコの人々の伝統行事となっている聖週 (セマナ サンタ) の木曜日か金曜日に、12の料理を家族と囲む風習をご紹介します。
なぜ、聖週 Semana Santa (セマナ サンタ)に、12の料理を家族と食べるの?
キリストが死に処せられる前に、12使徒と共に最後晩餐をしたことから、家族で集まって12の料理を食べるそうです。
12の料理には何が出るの?
各家庭によって、12種類の料理は異なります。そのため料理は多様です。
主にキヌア、米、トウモロコシなどの穀物、野菜、卵、エビ、魚を使います。
一般的には、料理を6皿、甘い物を6皿作ります。
人によっては、スープを3皿、メイン料理を4皿、デザートを5皿という方もいます。
しかし、決して肉は使いません。
なぜなら、人々はキリストに敬意を払い、赤身の肉を食べないという迷信があるからです。
肉の代わりにお魚を使います。
キリストの弟子に漁師がいたことが関係しているそうです。
スープの一例
Sopa de lisas (ソパ デ リサス) 亜麻の種子のスープ
Sopa de choros (ソパ デ チョロス)
Chupe de camarones (チュペ デ カマロネス) 川エビのシチュー風煮込み
Crema de maíz (クレマ デ マイス) トウモロコシのポタージュ
メイン料理
Cebiche (セビーチェ) 魚介類の辛口レモンソース和え
Trucha frita (トゥルーチャ フリータ) マスの素揚げ
Arroz con huevo (アロース コン ウエボ) ご飯と目玉焼き
Cau-cau (カウカウ) 魚の卵
デザート
Arroz con leche (アロース コン レチェ) ミルクライス
Mazamorra (マサモラ) 紫トウモロコシのデザート
Gelatina (へラティーナ) ゼリー
Empanada (エンパナーダ) 一般に知られているペルー料理 Empanada (エンパナーダ) とは違います。
Arroz zanbito 牛乳ライスの黒砂糖味 (arroz con leche は砂糖を使いますが、これは砂糖の代わりに黒砂糖chancacaを使います。)
Giso de durazno (ギソ デ ドゥラスノ)
Empanada (エンパナーダ) 以外にもまだまだ Semana Santa 聖週に食べる焼き菓子があります。
まとめ
クスコの人々の伝統行事となっている聖週 (セマナ サンタ)に、12の料理を家族と囲む風習は、キリストが弟子たち12人と過ごした最後の晩餐のように、親族が集まり、赤身肉以外の物で12の料理を準備して食卓を囲む伝統行事です。
聖書の主の晩餐の記述に登場する料理は、酵母の入っていない無酵母パンとぶどう酒だけですので、赤身肉以外の物で12の料理を食べるというような詳細な記述が記載されているわけではありません。
そのため、聖週に12の料理を家族と囲むペルーの風習は、迷信が伝統になったと考えられます。
ペルーのクスコでは、今でも古い風習が残っています。
Hasta Pronto! アスタ・プロント! それでは、また!
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