南米ペルーの楽器で有名なところには、
Cajón カホン、Charango チャランゴ、Quena ケーナ、Zampoña サンポーニャなどがあります。
今回は、アンデス音楽には欠かせないそれぞれの楽器の歴史や特徴について、
ご紹介できればと思います。
南米ペルーには、いくつもの伝統音楽と伝統的なダンスがいくつもあります。
音楽好きの方必見です。
Cajón カホン
Cajón カホンという楽器は、正真正銘南米ペルー発祥の楽器です。
スペイン語で、箱は、Caja カハというのですが、
Cajón カホンというと大きな箱という意味になります。
その名の通り、大きな箱の形をしたパーカッションです。
歴史
スペイン帝国植民地のコロニアル時代に、奴隷制度で
アフリカ人がたくさんペルーに連れてこられました。
そのアフリカ人奴隷たちが木箱などを叩いて、
演奏していたのが大元だといわれています。
現在の Cajón カホンの形になったのは、ごく最近のことです。
1960年代以降、スペインの有名なギタリストが
ペルー人のミュージシャンからプレゼントされた
Cajón カホンをフラメンコ演奏の際に使用し、
知られる様になっていきました。
そのため、Cajón カホンは、当初スペインのフラメンコ発祥だと
考えられていました。
現在、Cajón カホンは、ペルーの文化財に指定されています。
特徴
Cajón カホンには、後ろ側に丸い穴が開いています。
Cajón カホンの上に座り、箱の正面の表面と箱の角を叩いて演奏します。
とても軽く、持ち運びしやすいため、とても重宝されます。
さらに、良い音がするんです。
叩いて、演奏している人もとても楽しそうなのが特徴的だと思います。
Charango チャランゴ
Charango チャランゴは、南米のアンデス地方を代表する弦楽器です。
ペルーだけでなく、ボリビアやアルゼンチン北部などで用いられている小型ギターです。
歴史
西暦16世紀頃、アンデス地方の先住民が、
侵略してきたスペイン人が持ってきた弦楽器を元に
Charango チャランゴを生みだしたと考えられています。
ただ当初は、硬いアルマジロの甲羅を使って、
作られたと言われています。
ただ現在では、ワシントン条約でアルマジロの甲羅が使えないため、
通常一本の木材をくり抜いて作られているのが一般的です。
中には、アルマジロの甲羅の Charango チャランゴも
未だに存在しているといううわさも聞きました。
ただ木材の Charango チャランゴの方が音が大きく、良いとも聞きます。
ペルーではなく、ボリビアのポトシ北部地方が
発祥の地なのではないかとも考えられています。
アンデス地方の民族音楽フォルクローレには、
欠かせない楽器となっています。
特徴
リュート属の弦楽器です。
Charango チャランゴは、通常約40cm ~ 60cm の大きさで、
とても小さい弦楽器で、軽く、持ち運びやすいです。
ウクレレになんとなく、サイズも含めて似ていますね。
ただ音は、ウクレレのように柔らかい音というよりかは、
少し高めの音が出ます。
基本的には、胴の部分の裏が丸いのが特徴的です。
管理の仕方は、ギターやバイオリンなどの通常の弦楽器と同じです。
弦は、10本ですが、5本のようなイメージです。
なぜなら、各場所に2本ずつ弦が張られているからです。
とてもかわいらしい形の楽器で、美しい高い音が奏でられる弦楽器です。
Quena ケーナ
Quena ケーナは、日本の尺八のような木の笛です。
歴史
Quena ケーナの歴史はとても古く、ペルー各地の博物館などに行くと、古代の Quena ケーナを見ることができます。
インカ帝国時代よりもさらに古い時代のプレインカ時代、しかも、
紀元前にまで、Quena ケーナの期限はさかのぼります。
博物館には良く、遺跡から発掘された
骨などから作られた Quena ケーナが展示されています。
古代の Quena ケーナは、穴が3つか4つほどでした。
しかし、現在では、穴が6つになっています。
古代から儀式の演奏に用いられてきました。
アンデス地方の民族音楽フォルクローレには、
欠かせない楽器となっています。
1970年の Simon and Garfunkel サイモン・アンド・ガーファンクルが
発売した「コンドルは飛んでゆく」”El Condor Pasa” で、世界中で知られる様になりました。
特徴
材質は、以前は、Caña カーニャという葦で作られていましたが、
現在では竹や他の木材をくりぬいて作られたものが主です。
今でも Quena de Caña ケーナ・デ・カーニャは有名です。
牛骨や黒檀 Ébano エボニーでも作られます。
大きさは、約35cm です。
小さい Quena ケーナは、Quenilla ケニージャ、
大きい Quena ケーナは、Quenacho ケナーチョと呼びます。
Quena ケーナを吹く際には、きれいな音を出す為に、まず練習が必要です。
原理は、尺八と同じように、口を尖らせる感じです。
ペルーの楽器屋さんでは結構安く買うことができます。
15ソレス、約500円で買うこともできます。
お土産屋さんにも売られていたりします。
Zampoña サンポーニャ
Zampoña サンポーニャは、別名 Siku シークとも呼ばれます。
現在では、Zampoña サンポーニャとして良く知られていますが、
もともとは、Siku シークという名前です。
現在でも Siku シークという名前は残っています。
現在では、Zampoña サンポーニャは、現代式の Zampoña サンポーニャを表し、
Siku シークは、古来式のものを表します。
Siku シークとは、Aimara アイマラ語で、
Tubo que da sonido 音を出す筒という意味があります。
アンデス地方の民族音楽フォルクローレには、
欠かせない楽器となっています。
ペルーだけでなく、アルゼンチン、ボリビア、コロンビア、チリ、エクアドルなどでも
一般的な楽器です。
歴史
Zampoña サンポーニャ (Siku シーク) は、Quena ケーナと同じように古い歴史があります。
Zampoña サンポーニャ (Siku シーク) もインカ帝国より前の時代のプレインカ時代、
たとえば、Moche モチェ文明の儀式などでは既に使用されていました。
モチェ文明のものである発掘された陶器などに、Zampoña サンポーニャ (Siku シーク) が
描かれていました。
Nazca ナスカ文明でも使用されていました。
特徴
Quena ケーナと同じく、以前は、Caña カーニャという葦で作られていました。
いろいろなサイズの Zampoña サンポーニャ (Siku シーク) があります。
たとえば、Siku シークでは、小さい方から順番に大きい方の名前を述べていくと、
Chuli siku チュリ・シーク (ika suki イカ・シーク)、Malta siku マルタ・シーク、
Sanqa siku サンカ・シーク、T’uyu siku トゥユ・シークなどがあります。
現在一番一般的な Zampoña サンポーニャは、基本的には、
筒状の管が2列で並んでおり、自分側の手前が6管、反対側が7管です。
Quena ケーナと同じく、Zampoña サンポーニャを吹く際には、
きれいな音を出す為に、まず練習が必要です。
原理は、尺八と同じように、口を尖らせる感じです。
まとめ
南米ペルーには、本当に興味深い独特な楽器があります。
Cajón カホン、Charango チャランゴ、Quena ケーナ、Zampoña サンポーニャなど、
弾けるようになれたらかっこいいですよね。
南米ペルーに来たら、ぜひ楽器も手に取ってみてください。
お土産にも良いかもしれません。
楽器好きの方、ペルーの楽器屋さんに足を運ばれてみては如何でしょうか?
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